仮に配当利回り3%の銘柄を100万円分買うと配当金は3万円となる。それを再投資すれば配当金はさらに増えるし、増配があれば受け取れる配当金は自動的に増加する。仮に投資先企業が毎年平均7%ずつ増配すれば、10年で配当額が2倍になる。当初投資した株式からの配当金は6万円になり、その間、再投資や新規投資をしていれば一層増加する。
また還元に前向きな企業は市場原理が働き株価の上昇も期待可能だ。年10万円の“資本収入”も現実味があるし、元手を増やして投資期間を長くすれば、配当収入はさらに大きくなる。
“長生きリスク”が強調されるなか、この投資法ならむしろ長生きするほど資産が膨らむことさえ期待できるのだ。
“お金がお金を生む仕組み”を早めにつくる
では、配当金を長期間、着実に受け取るには、どんな銘柄を選ぶべきか。
「目先の配当利回りが高い銘柄ばかりに目を奪われてはいけません。現在の利益を株主に還元しすぎて将来的な成長につながらなければ、増配も見込めず本末転倒だからです。現在のような株高局面で4%以上の利回りがある銘柄は、基本的に違和感を持つべきでしょう。ただし、当期純利益から配当に回す『配当性向』を高めるなど、積極的な株主還元策を経営戦略に掲げる企業もあり、そうした企業は利回り4%以上でも投資余地はある」
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