住まい・不動産

森永卓郎氏が勧める都心から半径50km圏内の“トカイナカ移住” 「家庭菜園の作業ははがん闘病生活にもプラス」

「家庭菜園の作業で足腰を鍛えることができた」

 森永氏は“トカイナカ”に移住後、自宅近くに畑を借り、約20種の野菜作りを実践。食費はたちまち半減したという。

「わざわざ畑を借りなくても、ちょっとした庭やベランダがあれば野菜は作れます。またトカイナカには農産物の直売所も多いので、野菜類はかなり安く買うことができる。都会で美味しいものを食べるにはお金がかかりますが、家庭菜園レベルでも十分に美味しく、身体に良くて安心な食材を確保できると感じました」

 年齢を重ねてからは、「趣味にかけるお金」にも考慮の余地がある。

「リタイアしたら、1人でできる趣味を持つことをお勧めします。趣味仲間が多いと、周りに合わせて無駄な出費がかさんでしまうことが多々あるような気がします」

 現在、森永氏が趣味としているのは家庭菜園のほか、トカイナカだからこそ体験できるハイキングやバーベキュー、野鳥や昆虫の観察など。

「今はがん闘病中ですべてを満喫できていませんが、これらはトカイナカ暮らしで見つけた趣味です。とくに家庭菜園の作業はジムに通う以上に体を使うため、もの凄く足腰を鍛えることができました。今の闘病生活にもプラスになっています」

 ほかにもカメラや俳句など、1人で楽しめる趣味は無数にあるという。

「私自身の経験から言えば、いわゆるトカイナカ暮らしで金銭的な節約だけでなく“ストレス・フリー”の恩恵も享受できます。十分な預貯金がなく、リタイア後の暮らしに不安があるのなら、トカイナカ暮らしが選択肢になるでしょうか」

【プロフィール】
森永卓郎(もりなが・たくろう)/1957年生まれ、東京都出身。経済アナリスト。経済アナリストとしてベストセラー著書多数

※週刊ポスト2024年5月3・10日号

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