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【YOASOBIの米国進出】その背景にある“ソフト産業に注力してきた”ソニーの戦略 グループ全体の営業利益の約6割がエンタメ分野

「YOASOBI」がもうける収益構造

「YOASOBI」がもうける収益構造

YOASOBIの米国進出はソニーの戦略の延長線上

 そんなYOASOBIの米国進出はソニーにとって“凱旋”と言える。

 ソニーと米国のつながりは深い。電機メーカーとして創業以来、トランジスタラジオやカラーテレビ、「ウォークマン」など画期的な製品を世に送り出し、米国では1960年に現地法人を設立するなど、ソニーの世界戦略の本拠地の一つになった。

 経済ジャーナリストの大西康之氏はYOASOBIの世界戦略にもそうした歴史的背景が関係していると言う。

「ソニーは1989年の米コロンビア・ピクチャーズ買収に先立つ1968年、米CBSとの合弁会社CBS・ソニーレコードを設立し音楽業界に参入しました。盛田昭夫という天才経営者は、テレビやラジオなどハードウェアの次に映画や音楽などソフトウェアの価値が高まると考えていた。YOASOBIの米国進出は、ハードを売る一方でソフト産業にも注力してきたソニーの戦略の延長線上に位置付けられます」

 2019年12月のデビュー曲『夜に駆ける』は翌年の各種年間音楽チャートで1位を獲得し、スターへの階段を駆け上った。特徴は目立った宣伝活動がないままヒットしたことだ。

「YOASOBIの成功は『動画投稿SNSから生まれるヒット曲』の時流に乗ったことが大きい。テレビの音楽番組に出演せずともYouTubeで音楽を見つけ、若者がどんどん拡散した。

 それは海外戦略にもつながっています。例えばYouTubeはチャンネル管理者が視聴回数に加えてユーザーの属性を知ることができる。彼らにとって初の海外ライブはインドネシアとフィリピンで行なわれたフェスへの出演でしたが、東南アジアでの視聴数が多いことがわかっていたからと言われています」(柴氏)

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