混雑する街中や駅構内で、突然女性にぶつかってくる男性のことを、「ぶつかり男」あるいは「ぶつかりおじさん」と呼ぶ向きがある。2010年代後半から、その被害を訴える声がSNSで拡散されるようになり、ぶつかってきた瞬間を捉えた動画も多数投稿されている。
残念ながら、現在でもこうした迷惑行為は後を絶たないようだ。なかには、ぶつかり行為以上に、悪質かつ危険な“物理攻撃”もあるという。実際に被害に遭った女性たちに話を聞いた。
「カバンをお腹に叩きつけられた」
都内のIT系企業で働く女性・Aさん(20代)は、電車のホームでたびたび被害に遭っているという。
「これまで何度も駅構内で“ぶつかり男”に遭遇しました。私は中学高校時代に、JRの埼京線と山手線を使って通学していたのですが、数えきれないほど男にぶつかられた経験があります。『たまたまぶつかっただけ』か『わざとぶつかっている』かは、実際に被害にあえば確実にわかります。避けても、こちらに向かってくるので。
とても強い勢いで肩にぶつかってきたり、胴体をぶつけてきたりされると、後ろによろめいて倒れそうになることもあります。過去には、すれ違いざまに胸に肩を強くぶつけられたことや、サラリーマンからカバンをお腹に叩きつけられたこともあります。
痛いですし、なによりも恐怖と抵抗できない悔しさで悲しくなる。警察に通報してよいのか、通報して犯人が見つかるのか、いろいろ考えてしまい、結局は泣き寝入りするしかありません」(Aさん)