「会社に貢献したい」より「自分の夢」を重視
初任給の高さに加えて、自己投資による成長をサポートする様々な手当があるためか、どの業界も人口減少による人手不足が危惧される中で、TOKYO BASEの採用面は好調なようだ。売り手市場に動じない同社は、新卒採用でどのような人材を求めているのか。
「まず大事なのはファッションが何より好きだという気持ちです。加えて面接で重視するのは、自分の夢やビジョンがあり、それを叶えるためにTOKYO BASEに入社したいのかどうか。社内にとどまって成し遂げたいことに限らず、ゆくゆくは独立して自分のお店を持ちたいというような夢を持っていれば、入社後につらいことがあっても踏ん張って頑張れるはずです。なので会社に貢献したいという人よりも、TOKYO BASEを利用して自分の夢を叶えるんだという人材に期待しています」
新卒採用担当として就活生にアピールするのは待遇面よりも「人の魅力」だという。
「インターンシップで会社説明やグループワークを行う企業が多いですが、当社は1人の社員に1日同行してもらい、リアルな仕事内容や担当者の人間性が伝わるようにしています。また人事と就活生が顔を合わせ、ウチの会社のいいところも悪いところもちゃんと伝えて、最終面接は必ず社長が行います。社員の志が高く、熱い気持ちで働いていることを伝えているので、内定が出てから入社にいたる内定許諾率はすごく高いですよ」
TOKYO BASEでは新卒1年目の22歳が店長となり、入社5年目などの先輩社員を部下にして、年800万円を稼ぐこともあるという。夢がある反面、徹底した結果主義は時として、結果を出せない人材を切り離すことにつながるのではないだろうか。
「もちろん結果を出すためのOJTや店長によるフォローアップはしていますが、当社の企業文化からいって『勤続年数が長ければいい』という考えを持つ社員は少ないと思います。離職率は公表していませんが実際には結果が出ず退社する社員もいますし、違う道に進むのがお互いのメリットと割り切る部分もあります。ただし、結果主義と言っても売上の数字だけを見るのではなく、あくまでお客様を感動させる体験を評価するよう心がけています」