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【中学受験と塾選び】難関フェリス女学院を目指して娘をSAPIXに通わせた共働き夫婦の悪戦苦闘 妻を傷つけた夫の一言「αクラスじゃないと通う意味がない」

 夫が教えるようになると、最初のマンスリーテストで点数が取れ、クラスが少し上がった。一方で、娘のスケジュールの問題にぶち当たった。

「その週の宿題をやりながら、過去の抜けているところの復習をするのは時間的に無理なんですよ。学校の宿題もありますし、週末は習い事のスイミングや友達との遊びもあります」

 週末には、SAPIXの同級生たちも公園で遊んでいる姿が見られた。それなのに、娘が好きでやっている習い事や遊びを奪いとることには抵抗感があった。

 一方で学習の内容はそれなりに量がある。小学4年のうちは質も量も多くないが、いかんせん4教科ともなればそれなりの量になる。復習を優先すると、宿題がおろそかになるのでマンスリーテストで点数が取れなくなり、クラスは横ばいになっていった。

SAPIXの内容を解説する動画サービスにも加入

 成績が伸びないまま、小学5年になると、宿題の量も増え、質も変化してきた。

「小学4年の頃は私でもすらすら解ける問題ばかりでしたが、小学5年になるとそうもいかなくて。夫は解説を読みこんで、頑張って教えていたんですよ」

 ところがだ。夫は、つい、厳しくしてしまう。娘も気が強いから反論し、喧嘩になり、親子の仲が悪くなってしまう。

「夫が仕事から帰ってくると子ども部屋に閉じこもってしまって。塾の送り迎えも拒否するから娘はお友達と塾に行って帰るようになりました」

 思春期の入り口でただでさえ親に違和感を持つ年頃なのに、「これを覚えろ!」と厳しくされたら嫌になってしまっても仕方がない。夫は高圧的ではないが物言いがストレートだったり、キツかったりした。

 そこでA子さんが勉強を見ようとしたが、中学受験の内容も忘れてしまっているし、娘の3歳下に息子もいるから、時間がない。

 そこで、SAPIXのテキストの内容を解説する動画サービスを申しこんだ。SAPIXが運営しているのではなく他の業者がやっているが、夫の同級生夫婦から教えてもらったものなので安心感があった。これを活用して、息子がSAPIXから麻布に合格したとのことだ。

 解説動画を導入したが、目を離すと娘はタブレットでYouTubeのゲーム実況を見てしまう。そのため、ダイニングテーブルで視聴させ、A子さんは家事をしながらちゃんと見ているのかを確認していた。

 しかし、他にも問題があった。

「息子がやんちゃで家の中で暴れまくっているんですよ。それもあって娘は勉強をする雰囲気じゃなくなってしまって」

 息子を黙らせるためにはイヤホンをさせてゲームをやらせるしかないが、それはそれで息子の教育上、よろしくないだろう。そこで、夫に息子の相手をさせるようになった。買い物や公園に連れ出してもらって、その間に娘に勉強をさせた。

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