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【中学受験と塾選び】共働き家庭が子供をSAPIXに入塾させて見た夢の行方 娘の成績が低迷しても転塾させないのはなぜか

付属校狙いだとSAPIXの授業や宿題はオーバースペック?

 結局、転塾はせず、小学6年もSAPIXに通うことになった。本人の希望で学習院女子を目指すことにした。今どきの付属校は大学受験対策もしてくれるから大学進学の選択肢は広い。

 中学受験の塾は小学4年で一通り勉強し、小学5年でしっかりと全範囲を網羅する。小学6年からは復習をしていく。単に復習をするわけではなくより高度な問題をこなし、入試に向けて実践力をつけていく。小学6年の夏に夫がテキストを見てこういった。

「算数は思考力問題対策じゃないか。フェリスを受けないならいらないよ」

 思考力問題というのは難関校で出る難しい問題だ。「どうやって解くのか」を見つけるのが難しい。一見、なにを問うているか分からないが、実際には塾で習った対策などで解くことができるといったものだ。ようは高い応用力が必要となり、それを鍛えるテキストになっているということ。フェリスは思考力問題を重視する学校であり、その対策に適していると思ってSAPIXに入れたのだから、小学6年にもなれば、難関校で必要とされる思考力対策に巻き込まれて当然である。

「クラスによって扱う問題は違うんだろうけれど、平易な問題も思考力問題を解きやすくした内容になっている。これをやるよりも普通の基礎的な問題をやった方が学習院女子対策にはいいように思う」と夫はいったそうだ。

 中堅校はバランスよくいろんな分野から問題が出るので、基礎全体を固めることが必要とされる。特に付属校は基礎重視の傾向が強く、志望校の学習院女子の国語は漢字の書き取りなどの知識問題が多い。そちらを強化すべきだが、そうもうまく回らない。

 結局、第1志望の学習院女子は不合格で、第2志望の四谷大塚偏差値55の進学校に入学した。スパルタ式に勉強をさせる学校ではなく、校風も自由で満足をしているというが、どこかA子さんの口調にはぎこちなさも感じる。

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