投資情報会社・フィスコが5月13日~5月17日のドル円相場の見通しを解説する。
* * *
今週のドル円は伸び悩みか。米国の消費者物価指数(CPI)と小売売上高の鈍化が予想されるが、日米金利差でドルは下げづらい。ただ、日銀の金融正常を見極めようと過度な円売りは抑制されよう。5月15日発表の米経済指標で4月CPIは総合、コア指数とも前回を下回ると予想されている。また、小売売上高も前回実績を下回る可能性があり、連邦準備制度理事会(FRB)の年内の利下げ実施に思惑が広がりやすい。
ただ、インフレ目標の中央値にはなお距離があり、金融当局者からも引き締め的な政策の継続に前向きな見解が相次いでいる。カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁は年内の金利据え置きとのスタンスでドル売りを弱めた。
一方、4月末から5月にかけての円急伸について、イエレン米財務長官は日本の為替介入なら「まれであるべき」との考えを改めて示した。介入をけん制した発言とみられ、日本の実弾投入は釘を刺された。16日に発表される日本の1-3月期国内総生産(GDP)はマイナスの転落が想定される。ただ、日銀は今後、金融正常化を議論する可能性が直近の金融政策決定会合の主な意見で示され、過度な円売りを抑制しよう。
【米・4月CPI】(15日発表予定)
5月15日発表の米4月CPIは前年比+3.4%、コア指数は同+3.6%と鈍化が予想され、ドル売り要因になりやすい。
【米・4月小売売上高】(15日発表予定)
15日発表の米4月小売売上高は前回の前月比+0.4%と、前回実績を下回る見込み。個人消費の伸びが鈍化すれば引き締め政策を弱める要因となりドル売り要因に。