リスクを低くできる商品を選び、あとは“ほったらかし”にしておくのが常道とされるが、注意点がある。
「当初は株式と債券に50%ずつ投資をしていても、株式と債券は異なる値動きをするため、そのままほったらかしにしておくと、だんだんと配分比率が変わっていき、気がついたら株価の上昇に伴い、株式60%、債券40%など積極的にリスクをとっているような配分になっていることもある。定期的に口座をチェックし、資産配分を見直す『リバランス』はやっていただきたい」
ただし、初心者にはハードルが高いので、自動でリバランスしてくれる投資信託を選んでおくと簡単だ。
例えば、新NISAのつみたて投資枠で買える「〈購入・換金手数料なし〉ニッセイ・インデックスバランスファンド(4資産均等型)」は、その名の通り、先進国と日本の株式と債券の4つの資産に25%ずつ均等に投資するよう自動でリバランスを行う。また、松井証券はすべての商品が「自動リバランス」の対象になっている。商品選びや口座開設の一助としてほしい。
お金に働いてもらいながら自分も働く
リスクを最大限に排除して投資を続けつつ、収入を絶やさないことを意識して、さらに確実な資産形成の土台を築きたい。
「定年後の年収は平均して約300万円といわれています。70才までしっかり働けば年金の繰り下げをしやすいですし、60才を越えて仕事を持っている人は社会貢献や生きがいを得ている実感を得やすく、心身ともにいい影響があると言える」(頼藤さん)
投資して「お金に働いてもらう」だけでなく、元気なうちは自らも働くことが資産面でも身体面でも人生100年時代における大きなリスクヘッジにつながってくるのだ。
※女性セブン2024年5月30日号