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【老後資金運用の出口戦略】取り崩す時は「額」より「率」 元本プラス利益で1000万円あれば年4%を解約、月3.3万円を生活の足しにするイメージ

老後資金の取り崩しを始める時は定額ではなく“定率”で考える(写真:イメージマート)

老後資金の取り崩しを始める時は定額ではなく“定率”で考える(写真:イメージマート)

 平均寿命が延びればそれだけ必要な老後資金も増える。年金を繰り下げ、新NISAで運用し、汗水垂らして働いてキャッシュを手元に残し──あらゆる方法を駆使して貯めた大切な老後資金は、どう使うべきか。「貯蓄」「年金」「新NISAで増やした資産」の3本柱をただ持ち続けるだけでなく、どこかで取り崩す「出口戦略」もあらかじめ考えておくべきだ。

 まずは最大限に繰り下げた年金で生活費を賄い、足りない部分や臨時の出費は貯蓄で補う。運用期間を長くするほどに資産を増やせる可能性がある「新NISAで増やした資産」は、なるべく最後まで手をつけないのが理想的だ。ファイナンシャルプランナーの鬼塚祐一さんは運用期間の目安を「10年」としている。

「過去50年間のデータを見ると、分散投資を10年間続けたら元本割れしたケースはゼロです。

 だから少なくとも10年はコツコツ積み立て、取り崩すのはその後がいい。ただ、退職金などまとまったお金が手元にある場合は、一旦まとめて新NISAに入れ、運用しながら月に数万円など小額ずつ10年以上かけて受け取っていく方法もある。まとまった資金を運用で増やしながら、その一部を取り崩して“じぶん年金”にする戦略です」

 つまり、10年以上積み立て続けた後に受け取るか、最初にまとまった資金を入れて10年以上かけて取り崩していくか、出口戦略は大きく2つのパターンに分かれるということ。いずれにせよ長期的なビジョンが必要になるのは間違いない。

取り崩す際には「額」ではなく「率」で考える

 10年後に取り崩しを始める場合、「額」ではなく「率」を軸に考えるべきだと家計再生コンサルタントの横山光昭さんはアドバイスする。

「運用で増えた分を取り崩す際は、定額ではなく“定率”で考えてほしい。投資信託の過去の運用実績をみると、平均して4%ほどのリターンなので、毎年4%の定率で取り崩して、残りを運用し続ければ、資産が減りにくくなる。

 元本プラス利益で1000万円あったら、その4%の40万円、月に換算して3万3000円ほどを毎月の足しにするイメージです」(横山さん)

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