投資情報会社・フィスコが5月20日~5月24日のドル円相場の見通しを解説する。
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今週のドル円は底堅い値動きか。米国のインフレ指標は伸びが鈍化するものの、連邦準備制度理事会(FRB)の引き締め的な政策の長期化が見込まれ、ドル選好地合いは継続しそうだ。直近発表の米国の生産者物価指数(PPI)と消費者物価指数(CPI)はおおむね高止まりを示し、FRB当局者は今後も引き締め的な金融政策を堅持する方針とみられる。そのため、早期利下げ観測は後退しつつある。今後発表される経済指標が良好な内容であれば、リスク選好的なドル買い・円売りが続くと予想される。FRBは5月22日に直近の連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨を公表する。タカ派的な内容なら、米金利高・ドル高を後押しする手がかりになる。
一方、イエレン米財務長官による日本の為替介入を念頭に置いた発言が、引き続き材料視される。4月末から5月上旬にかけての円急伸について、日本の為替介入だとすれば「まれであるべき」と指摘。ドル円は157円台を為替介入のポイントとみているが、同財務長官の見解は日本の介入をけん制したと受け止めており、157円台までは円売りをサポートする要因に。
また、日本の消費者物価指数(CPI)コア指数が日銀目標の前年比+2.0%を割り込む内容となれば金融正常化への思惑は後退。日米金利差が意識され、ドル・円は上昇基調を維持する展開とみる。
【米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨】(5月22日)
FRBは4月30日-5月1日開催のFOMC議事要旨を5月22日に公表する。全般的にタカ派的なトーンなら米金利高・ドル高を後押ししそうだ。
【日4月全国CPI】(24日)
24日発表の全国CPIは伸びの鈍化が注目される。東京都区部と同様に低下した場合には、日銀の金融正常化期待は後退し、円売り地合いが予想される。