投資情報会社・フィスコが、株式市場の5月20日~5月24日の動きを振り返りつつ、5月27日~5月31日の相場見通しを解説する。
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先週の日経平均は週間で141.27円安(-0.36%)の38646.11円と下落。注目された米半導体大手エヌビディアの決算発表が市場予想を上回ったことから、東エレク<8035>やアドバンテスト<6857>など半導体株を押し上げる材料となったが、多くの業種が上がるような全面高の展開とはならなかった。23日の米国市場では米経済指標が強かったことで米10年債利回りは4.49%まで上昇。金利上昇を嫌気した米ハイテク株下落の流れが東京市場にも波及し、週末は半導体株が総じて下落。為替が1ドル157円台と円安ドル高が強まったものの、政府・日本銀行による円買い介入警戒が高まったことから日本株への追い風とはならなかった。
債券市場では、指標となる新発10年物国債の利回りが1.005%まで上昇し、2012年4月以来およそ12年ぶりに節目である1.000%を超えた。足元の円安推移などを受けて、日銀が早期の追加利上げや国債買入の減額に動くとの思惑が高まっており、株式市場では相場の急変が警戒されて積極的な売買は手控えられた。週末のプライム市場の売買代金は、日経平均が一時700円下落したにも関わらず、押し目買いは膨らまず3.8兆円ほどに留まった。
なお、5月第3週の投資主体別売買動向によると、外国人投資家は現物を384億円買い越したほか、TOPIX先物を1797億円売り越し、225先物は614億円売り越したことから、合計2027億円の売り越しとなった。一方、個人投資家は現物を1093億円売り越すなど合計で518億円買い越し。なお、信託は現物を492億円と小幅買い越した。
日経平均は、75日移動平均線を下回ったが、右肩上がりに転じた25日移動平均線より上を維持している。日足の一目均衡表の雲下限が38396円と25日移動平均線とほぼ同じ水準であることで、38400円水準がサポートラインとして引き続き意識されよう。上値は重いが下値も固いといった地合いのため、下値警戒感はさほど感じられない。ただ、プライム市場の売買代金は4兆円前後に留まっており市場エネルギーは乏しい。エヌビディア決算をきっかけとした日経平均上昇、というシナリオが崩れた状況下、方向感が定まらない地合いが続くと想定する。