年々、アクティビスト(物言う株主)の動きが活発化してきており、株式市場にも影響が出ている。アクティビストの活動はどのようなものか。また、アクティビストが狙いを定める企業の特徴は。『世界一楽しい!会社四季報の読み方』などの著書がある個人投資家で株式投資講師・藤川里絵さんが解説するシリーズ「さあ、投資を始めよう!」。第94回は、「アクティビスト」について。
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最近の日本の株式市場では、アクティビスト(物言う株主)が保有する銘柄に注目が集まっています。かつては「ハゲタカ」などと揶揄されたアクティビストですが、いったいどういう存在なのでしょう?
アクティビスト保有株が注目される理由
今年の4月は、全体相場は軟調でしたが、そんな中でも比較的元気がよかったのが、アクティビストが保有する銘柄群です。たとえばアクティビストファンド・シティインデックスイレブンスは、5月13日に三井松島ホールディングス(1518)の株式の保有割合が6.7%になったと大量保有報告書を提出してから、定期的に買い付けを行い、直近22日には、保有割合が28.96%にまで増えています。4月末から5月中旬までに株価は倍増、その後はいったん調整していますが、おそるべしアクティビスト効果!と言えるでしょう。(*5月23日時点では保有比率も28.96%→28.03%と少し減少しています)
シティインデックスに限らず、アクティビストが保有比率を高めるといったアナウンスがあると、その銘柄は株価が上昇する傾向にあるため、投資家からはとても注目されています。