田代尚機のチャイナ・リサーチ

「エヌビディアに続く銘柄は?」株式市場でAI革命の“宝探し” 中国では電磁干渉を遮断する技術に注目集まる

AI革命の進展に伴いエヌビディアに続く銘柄に注目が集まっている(Getty Images)

AI革命の進展に伴いエヌビディアに続く銘柄に注目が集まっている(Getty Images)

 これから数年の間にAI革命が急速に進み、世の中は一変するのだろう。AI関連銘柄の代表格であるエヌビディアは現地時間5月22日、2024年2~4月期の業績を発表した。それによると売上高は260億4400万ドル(4兆629億円、1ドル=156円で計算、以下同様)で前年同期比3.6倍、純利益は148億8100万ドル(2兆3214億円)で同じく7.3倍に膨れ上がった。会社側は5~7月期の売上高について280億ドル(4兆3680円)前後と見込んでおり、アナリストたちが予想する以上に急成長が続く見通しだ。

 部門別売上高をみるとAI向けの画像処理半導体(GPU)などデータセンター部門が225億6300万ドルで前年同期比5.3倍と急増しており、全体の売上比率では87%に達している。自作を趣味とするパソコンマニア、映像の質を気にするゲーマーなどにとってエヌビディアといえば、グラフィックボード(GPUにメモリ、電源回路、出力インターフェースなどが組み込まれた専用プロセッサ)のトップメーカーとしての印象が強いだろうが、今やゲーム部門の売上高は26億4700万ドルで売上高全体の10%でしかない。

 株価について確認しておくと、AI向けに需要が急増する前の2022年10月には112.27米ドルの安値(終値ベース)を付けている。しかし、そこからAI向けGPUが急拡大したことで株価は急騰、2024年5月24日の終値は1064.69ドルに達している。わずか1年7か月で株価は9.5倍に急騰している。

 AI開発で先行するのはOpenAIや、OpenAIに出資しているマイクロソフト、検索業務の衰退に強い危機感を持つアルファベット(グーグル)、アップル、メタなどの大企業(投資先を含む)である。中国企業では百度(バイドゥ)、アリババグループ、テンセント、センスタイム、科大訊飛(アイフライテック)などが米国企業を急追している。

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