投資情報会社・フィスコが6月3日~6月7日のドル円相場の見通しを解説する。
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今週のドル円は底堅い値動きか。日本の長期金利がさらに上昇した場合、リスク回避的な円買いが入りやすい。また、日本銀行は金融正常化について前向きに検討しており、日本政府は円安をけん制し、ドルの上昇を阻止している157円以上では日本の為替介入が警戒され、投機的なドル買い・円売りは縮小する可能性がある。ただ、米連邦準備制度理事会(FRB)は政策金利を長期間据え置く方針を固めており、多くの投資家は当面ドルを選好するとみられる。次回6月13-14日の連邦公開市場委員会(FOMC)は現行の政策金利維持の公算。9月以降に年内2回の利下げという市場シナリオは後退しつつあり、ドル高に振れやすい相場展開が見込まれる。
【米・5月ISM製造業景況指数】(6月3日発表予定)
6月3日発表の5月ISM製造業景況指数は49.6と、節目の50を下回る見通し。ただ、前月の49.2からやや改善が期待され、引き締め的な政策をやや後押しする材料になろう。
【米・5月雇用統計】(6月7日発表予定)
6月7日発表の米5月雇用統計は失業率が3.9%、非農業部門雇用者数は前月比+18.0万人、平均時給は前年比+3.9%の市場観測。ほぼ想定通りならドル買い材料となりうそだ。
・6月3日-7日に発表予定の経済指標の予想については以下の通り。
○(米)5月ISM製造業景況指数 3日(月)午後11時発表予定
・予想は49.6
参考となる4月実績は49.2。新規受注指数と生産指数の低下が要因。5月については4月時点の新規受注指数が50を下回っていることから、大幅な改善は期待できない。そのため、4月に続いて節目の50を下回る可能性がある。