ガソリン値上げも待ち受けている。
今年4月が期限だったガソリン補助金は「大型連休前の値上げを避ける」と当面継続されているが、今年秋にも打ち切られるとの見方がある。マイカー保有の有無で家計への影響は大きく異なるが、総務省の家計調査の2人以上世帯の年間ガソリン購入量(2022年平均で約431L)で計算すると、補助金打ち切りでガソリン価格が1L=15円上がる場合は年間約6465円の負担増だ。
長引く物価高騰による家計の負担増は非常に大きい。この6月以降も食品600品目以上の値上げが予定され、円安で物価高騰は止まらない。
みずほリサーチ&テクノロジーズが今年3月に発表した調査レポート「長引く物価高で家計負担はどうなる?」では、物価上昇による食料、エネルギー、その他の家計の負担増を年収別に試算している。それによると、年収500万~600万円の世帯(平均約2.9人)では2024年度の1年間で7万3290円の負担増と試算している。
計算ずくのスケジュール
さらに岸田首相が胸を張る「賃上げ」にも負担増がついてくる。
今年の春闘は平均5.17%の大幅賃上げと騒がれているが、名目賃金が上がった分、給料から天引きされる税・社会保険料が増えるからだ。
年収500万円のサラリーマン(ボーナス4か月支給)のケースで試算すると、5.17%賃上げになれば、給料が年25万8500円(月額約2万1542円)増える。それによって年金・医療・介護の保険料は合計年3万5856円もアップするのだ。
国民にすれば、給料が増えても物価上昇に追いつかず、実質賃金は25か月連続で低下、生活は苦しくなる一方だ。そのうえ社会保険料負担がずっしり重くなる。