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「意見をうかがいたい」と言われて意見を言ってしまったオバ記者の反省 「会話とは“やりとり”だけじゃない」の気づき

なんでも真に受けて、直球を投げ返せばいいってもんじゃない

 年を重ねた人間の役割のひとつに“聞き流し”というのがある。あいづちを打てばそれでいいことがある。なんでもかんでも真に受けて、直球を投げ返せばいいってもんじゃない。なーんてことに67才になって気づいたってことは、これまでどれだけの“舌禍”を起こしてきたかってことよ。そういえばあのときも、あのときだって……。その夜は悶々として寝付けなかった。

 そんなある日、ラジオでテレフォン人生相談を聴いていたら、回答者の女性が「言いたいことを言わずに止めるのは大変な力業なんです」と言ったんだよね。年をとるとその力が弱くなって、言わなくてもいいことをついぺろっと言ってモメゴトを起こすんだって。ああ、もう思い当たる節がありすぎるわ。

 幸い、冒頭の「この年になると」と「年が年だから」と言った人に、「それ、言わなくてもいいことじゃない?」と言いそうになったけど、すんでのところで思いとどまっている。

 そうそう。私は今後、人を非難するようなことは言いませんよ。言いそうになったら腹筋に力を入れて止めます! なーんて意識しているとよけい危ない!? そうよ。危ないと思ったら、まったく別のことを考えてその場から逃げたらいい。いい感じのオババになるって、ほんと大変だわ。

【プロフィール】
「オバ記者」こと野原広子/1957年、茨城県生まれ。空中ブランコ、富士登山など、体験取材を得意とする。

※女性セブン2024年6月20日号

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