ラッセル2000が指し示す中期的なトレンドの行方
ラッセル2000は、主要指数と比較して注目度は比較的低いですが、経済全体の先行指標として知られています。市場関係者の間では「炭鉱のカナリア」と呼ばれることもあり、先行きの不安を示す重要なシグナルとされています。
現在、ラッセル2000が13週移動平均線を下回り、26週移動平均線付近で推移していることは、中期的なトレンドが下降に転じる可能性を示唆しています。
ラッセル2000と26週移動平均線の位置関係も重要です。26週移動平均線の向きはトレンドの方向性を示します。興味深いことに、26週間前はちょうど2023年12月のFOMC開催週にあたり、その週のラッセル2000は+5.55%と大幅に上昇していました。26週間前の株価が上昇して現在の株価とほぼ同水準に達することから、株価が26週前の水準を下回ると、26週移動平均線は下向きになる可能性が高まります。
もしラッセル2000の中期トレンドが下降転換した場合、その影響が他の指数に波及することも考えられます。
米国株式市場は史上最高値圏での強い展開が続いていますが、ラッセル2000の動向や業種別のパフォーマンスの格差を見ると、楽観視するのは危険です。この重要な指標に注目し、慎重に市場の動きを見守る必要性がより高まっています。
【プロフィール】
森口亮(もりぐち・まこと)/個人投資家、投資系YouTuber。1983年、埼玉県生まれ。元美容師。「Excelで決算数値を管理して、有望な成長株を中・長期的に狙う」という手法で資産を10倍に。その後も着実に資産を増やしている。著書に『1日5分の分析から月13万円を稼ぐExcel株投資』(KADOKAWA)がある。YouTube「毎日チャート分析ちゃんねる」やnote(https://note.com/morip)を日々更新中。