投資情報会社・フィスコが6月17日~6月21日のドル円相場の見通しを解説する。
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今週のドル円は底堅い値動きか。米国のインフレ率は低下しているものの、米連邦準備制度理事会(FRB)は引き締め的な政策方針を維持。年内の利下げシナリオ修正で投資家のドル選好は続くだろう。5月米消費者物価指数(CPI)は前年比+3.4%と市場予想を下回った。同月の生産者物価指数(PPI)も含め弱含み、国内インフレの再加速は落ち着きつつあることが示された。ただ、6月11-12日に開催された連邦公開市場委員会(FOMC)では、現行の引き締め的な政策を7会合連続で据え置き。当局者による金利予測から、利下げは9月以降に1回にとどまる見通しとなった。市場の利下げシナリオは年内3回となっていたが、1回にとどまることでドルは売りづらい展開が続く。欧州中央銀行(ECB)の利下げサイクル入りやフランス政局の不透明感もドルを支える要因となろう。
一方、日本銀行は13-14日開催の金融政策決定会合で政策金利の据え置きを決めたが、次回の政策決定会合で今後1-2年の国債買入れ減額について具体的な計画を策定することを発表した。日銀による年内追加利上げの可能性も消えていないため、リスク選好的なドル買い・円売りが一段と拡大する可能性は低いとみられる。
【米・5月小売売上高】(18日発表予定)
18日発表の米5月小売売上高は前月比+0.2%と、前回の0.0%から改善する見通し。景気減速懸念が広がるなか、個人消費の強さを好感したドル買いが見込まれる。
【米・6月フィラデルフィア連銀景況指数)】(20日発表予定)
20日発表の6月フィラデルフィア連銀景況指数は前回の+4.5から改善するか注目される。製造業の景況感悪化で、景気減速懸念なら金利安・ドル安要因に。