いざとなれば「スマホで助けを求められる」と考える人も少なくないが、こんなケースもある。
「都内の実家でひとり暮らしする70代の母が自宅で倒れていたところをヘルパーさんが発見、救急搬送されたことがありました。母は糖尿の持病があり、近ごろ、急な目まいで転倒することがたびたびあったようです。
何かあった時は、簡単な操作で緊急通報できるようスマホを設定していましたが、テーブルの上に置いてあったために手が届かず、助けを求められなかった。発見が早く大事には至りませんでしたが、想定外の事態でした」(40代男性)
警備会社など民間の「見守りサービス」を受けるには、初期費用のほか月数千円の費用がかかるが、同様の独居世帯向けサービスを提供している自治体も多い。
「緊急時にボタンを押すと、通信センターにSOS発信されるペンダント型の器具を貸し出す自治体もあります。状況に応じ、警備員の出動や119番通報が行なわれるので、常に身に着けておけば不測の事態を回避できる可能性が高まります。
夫婦でいるうちから民間サービスを受けている方もいますし、ひとりになった時点でサービスを受けられるように準備を進めるのもいい。繰り返しになりますが、命に関わる問題なので万一の事態が起きてからでは遅いのです」(太田氏)
自治体によっては無償でサービスを受けられることもあるので、チェックしておこう。