給料日のたびに「今月はできるだけ出費を抑えよう」と決意してATMに並んでも、月末にはいつの間にか財布がからっぽ……それもそのはず、大切なのは節制よりも「いくらおろすか」だからだ。お金を財布に入れる瞬間から始まっている「節約上手」への道を、専門家に解説してもらった。【前後編の前編。後編につづく】
“なくなったらおろす”パターンの人はお金がたまらない
お金を貯めるためにもっとも大切なのは“必要なだけのお金”を持ち歩くこと。ファイナンシャルプランナーの山口京子さんが言う。
「財布に入っている現金は“いつでも使えるお金”。現金を多く入れすぎるとまだ○円あるからと気が大きくなって心のリミッターが外れやすく、使いすぎてしまいがちです。かといって少なすぎても、もしものときに困る。財布の中に入れるのは“そのとき、使い切ってもいい上限未満の金額”にすべきです」
そのためには、あらかじめ使い切っていい額を決めておくことが重要だと、山口さんは続ける。
「なんとなく5万円、とりあえず5000円、なくなったらまた5000円……と、いちばんお金が貯まらないのは“なくなったらおろす”パターンの人です」
ファイナンシャルプランナーの飯村久美さんが言う。
「家計支出のうち、住居費や光熱費、通信費などは口座引き落としが多いので、財布に現金で入れておく必要があるのは基本的に『食費』と『日用品費』です」
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