キャラクターが認知されれば東北地域の活性化につながる
ずんだもんが東北復興のシンボルとして生み出されたキャラクターであることはわかった。だが、投稿されている解説動画のなかには、東北と全く関係がない内容のものも少なくはない。これに対して運営側はどう感じているのだろうか。
「特に問題意識は感じていません。というのもこのプロジェクトは、ずんだもんをはじめとする自社のキャラクターが認知されればされるほど、東北地域の活性化につながるような仕組みになっているからです。
キャラクターの知名度が上がれば、東北の企業や団体の方は、キャラクターのグッズやコラボ商品を販売して利益を上げることができます。このような仕組みによって、たとえ東北に関連のないコンテンツが広がったとしても、キャラクターの知名度アップになるので、それが結果的に東北企業の支援につながっているというわけです。
だからこそクリエイターの方々には、特定の人やモノに対する誹謗中傷などの悪質なコンテンツでない限り、キャラクターをどんどん自由に使ってほしいと思っています」
運営側は、ずんだもんを利用して明確な誹謗中傷が行われている悪質なコンテンツに対しては、削除申請をしているという。そもそもキャラクターのイメージが悪くなるような使い方は利用規約に違反する。
同人関連グッズの販売においても収益を透明化
ずんだもんが人気化すれば、それが東北の支援につながるということだが、海賊版商品が発売されるなどのトラブルはないのだろうか。
「今のところ海賊版のような当社のガイドラインに反した商品は確認しておりません。同人誌などへの利用許可はしていますが、同人関連のグッズが販売されたとしても、一部の流通経路ではその利益の一部は自動的に当社に入る仕組みになっています。同人というグレーな部分が多い範囲においても収益を透明化する努力をしています」
──知名度を上げつつある「ずんだもん」。その裏には運営側の東北復興支援に対する思いがある。ユーザー側も善意を持ってこのキャラクターを利用したい。
取材=中田椋・文=瑠璃光丸凪/A4studio