トラブル回避で商業施設を待ち合わせ場所に
大型のものだけでなく、小物も「あげた」人もいる。IT企業に勤める30代女性・Bさんは、その理由をこう語る。
「本やコミックス、CD、DVD、子供用品、家電などをタダで譲ったことがあります。フリマアプリで売ることもできたのかもしれませんが、手間がかかる。それならほしい人にタダであげる方が楽だし、捨てるよりは気分がいいです」
ただしBさんは「トラブルやリスクも念頭に置いておくべき」とも語る。
「特に、女性は自宅まで来てもらうのはちょっと怖いと感じるかもしれません。私の場合は、人がたくさんいる商業施設を待ち合わせ場所にしました。小物だったら、持ち運ぶのも大変ではありませんが、大型のものはちょっと難しいかも。
不確定要素が多いことにも注意です。時間と場所を決めるやりとりに何日間もかかったことがあるし、引き渡し当日にドタキャンされたこともあるので、引っ越し直前に利用するのは避けたほうがいいかもしれません」(Bさん)
タダのものから掘り出しものを見つける醍醐味
引き取る側はどう感じているのだろうか。自営業の30代男性・Cさんは、「掘り出し物があれば、ぐらいの感覚」と話す。
「タダだと競争率が高くて手に入れられないこともあるほど、人気が出るものもあります。引き取った傷ありの家具や多少の難ありの中古品をうまく修繕したり、部屋になじませたりできると、なんともいえない充実感があります。コレが全部タダでできたんだな、と。タダのものを掘り出すのはもはや趣味。ただ、なかには本当にどうしようもないものもあるので、なんでもかんでも引き取るわけでもないですけどね」
不要品の処分に困ったら、「タダであげる」という選択肢がある。自分にとってはいらないものでも、誰かにとっては掘り出し物かもしれない。メリットとデメリットはよく理解したうえで活用したい。(了)