さらに市町村によっては、通称「ポイ捨て禁止条例」で、ゴミ捨てを禁止している地域もあります。規制の対象は道路、広場、公園、河川などの公共の場へのゴミ投棄ですが、罰則がないのがほとんどです。しかし、都内のある区の条例では、ゴミが著しく散乱し、特に改善の必要があり、住民が熱心に美化に取り組んでいる地区を美化推進重点地区と定め、そこでのゴミ捨てに罰金を科しています。
ご質問の場合、ゴミのポイ捨てが犯罪になる場合があるので、警察への相談も選択肢のひとつです。
ただ、特定の人が繰り返さなければ、取り締まりは難しいかもしれません。それでもポイ捨て条例の有無に関わらず、環境整備は自治体の大切な業務ですから、被害状況を整理して相談すること、あるいは河川の管理者に、清掃やゴミ捨て防止の対策を講じるよう要請することも考えられます。
【プロフィール】
竹下正己(たけした・まさみ)/1946年大阪生まれ。東京大学法学部卒業。1971年弁護士登録。
※週刊ポスト2024年7月12日号