投資情報会社・フィスコが7月1日~7月5日のドル円相場の見通しを解説する。
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今週のドル円は伸び悩みか。フランス政治リスクの顕在化が警戒されていること、米雇用関連統計で、賃金上昇圧力が弱まれば引き締め的な金融政策への警戒は和らぎ、リスク選好的なドル買いは一服しそうだ。6月30日投開票のフランス議会選で右派勢力が躍進すれば、7月7日の決戦投票に向けユーロ売り優勢となりそうだ。また、欧州発の市場の混乱が懸念され、リスク回避の円買いがドルなど主要通貨を下押ししよう。
一方、日本政府が4月末に160円台で為替介入に踏み切ったことから、161円を超える水準では為替介入への警戒が広がりやすい。ただ、ドルの上昇ペースは緩やかで実弾投入は想定しにくく、米為替報告で為替操作国の監視リストに日本が加えられたことで日本の介入はけん制され、163円台が為替介入が実施されると市場ではみられている。米連邦準備制度理事会(FRB)は、インフレ抑止は不十分であると指摘しており、主要中央銀行による相次ぐ利下げで、ドル高の流れが続く。ただ、米国経済指標が市場予想を下回った場合、早期利下げ観測でドル買いは後退しよう。特に雇用関連統計で労働市場の収縮が示されれば賃金上昇圧力は弱まり、引き締め的な金融政策長期化への期待はひとまず収束するだろう。
【米・6月ISM製造業景況指数】(7月1日発表予定)
7月1日発表の6月ISM製造業景況指数は49.0と、節目の50を下回る見通し。ただ、前月の48.7からやや改善が期待され、引き締め的な政策をやや後押しする材料になろう。
【米・6月雇用統計】(7月5日発表予定)
7月5日発表の米6月雇用統計では失業率は4.0%、非農業部門雇用者数は前月比+18.5万人の市場観測。賃金上昇圧力が低下すればドル売り要因に。