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津田塾大学「新5000円札効果」で復権なるか、受験界隈で注目集まる ブランド力は健在も人気に陰り、問われる女子大の存在意義

津田梅子が肖像に選ばれた新五千円札(時事通信フォト)

津田梅子が肖像に選ばれた新五千円札(時事通信フォト)

女子大の存在意義が問われる中で…

 しかし今回、津田梅子が新札の肖像画に採用されたことで、津田が積極的にメディアで取り上げられ、津田塾大学にもスポットライトが当たるのは必至だ。

「津田塾は確かに偏差値こそかなり下がりましたが、知名度は高く、就職市場での評価は依然として高い。これは単純に採用側が“津田塾黄金時代”を知る世代だということもありますが、とにかくマジメでしっかりしているイメージが強く、まだまだ学校名にブランド力はあります。その一方で偏差値は大東亜帝国レベルと変わらぬ学部もあり、偏差値と実態が乖離している。そうした背景もあって、2025年度入試で“新札バブル”が起きる可能性もあるかもしれません」(ビジネス誌記者)

 だが昨今、世の中ではジェンダーレス化が急速に進んでおり、女子大の置かれた状況は厳しい。たとえば男女別学の県立高校が存在する埼玉県では、共学化への議論が盛んに行われている。そんななか、「あえて女子大」を選んだ学生は、人生の節々で「なぜ女子大?」と問われる機会が増えていくだろう。

「近年の女子大学長のインタビューを見ると、判で押したようにぶつけられるのが『今の時代、女子大は必要ですか?』という質問。そこで見られるのは“女子だけで過ごすからこそジェンダーバイアスから解放される”“学内に色々な女性のロールモデルがいる”といった答えですが、女子大を選んだ者は、就職面接に限らず様々な場面で、そういった質問に晒されがち。そこでは丁寧な“理論武装”が要求されます。

 その一方で、ジェンダーギャップが解消すれば、女子大はいよいよ存在意義を失います。将来的に津田塾が共学化するようなことがあれば、母校はワンオブゼムとして埋没しかねない。そういった女子大ならではの課題に直面していることは間違いありません」

 とりあえず5000円札の“広告効果”はいかほどか。(了)

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