限定の御朱印よりもおいしいものを食べたい
一般的に御朱印代は300~500円程度であることが多いが、限定のコラボ御朱印などの場合、1000~1500円程度することもある。そういった限定の御朱印に疑問を持つようになった人もいる。神奈川県の会社員・Bさん(30代女性)はこう話す。
「限定モノの御朱印はデザインが凝ったものも多いし、たしかに集めるのは楽しい。でも、それが1000円、1500円とかするのは、ちょっと高いかなと思いますね。たとえば自分の“推し”のキャラクターの御朱印だったら、1000円でも高いとは思わないけど、そこまでこだわりがあるわけではない限定御朱印にはあまりお金をかけたくない。
最近は、御朱印はいただかずに、その分のお金をその土地での食事代に回しています。『ちょっと高いな』と思いながら御朱印をいただくよりも、おいしいものを食べたほうが満足度も高くなるかなという考えです」
思い出を残すなら写真を撮ったほうがいい
もともとの御朱印は、大きく神社やお寺の名前が書かれているシンプルなもの。しかし、その“シンプルさ”ゆえに「思い出があまり蘇ってこない」と感じるケースもあるようだ。都内に住む会社員・Cさん(40代男性)が明かす。
「妻と2人で国内を旅行するのが好きで、いろいろな神社やお寺を参拝しては、“そこに行った証”として御朱印を集めていました。でも、御朱印帳を見返して、どこに行ったかはわかるんですが、基本的にその神社やお寺の名前が書かれているだけで、似たりよったりといえば似たりよったり。どんな建物だったかとか、どんな風景だったかとか、そういった思い出があまり蘇ってこないんですよね」
御朱印ブームの影響もあり、Cさんはある種の“義務感”に駆られるように、ほぼ毎回御朱印を拝受していたという。
「なんとなく『御朱印をもらわなければ』みたいな気持ちもあって、神社やお寺に行くたびにもらっていました。でも、いざ振り返ってみると、“御朱印をもらうこと”にこだわりはあったけど、“御朱印そのもの”には思い入れがないことに気づいたんです。思い出を残すなら、御朱印もいいんですが、写真を撮ったほうがいいですね。だからいまはもう御朱印集めはやめて、とにかくたくさん写真を撮るようにしています」(Cさん)
神社やお寺を参拝した証となるのは、御朱印だけではない。思い出の残し方は人それぞれだ。(了)