投資情報会社・フィスコが7月8日~7月12日のドル円相場の見通しを解説する。
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今週のドル円は下げ渋りか。米インフレ指標の鈍化が見込まれ、引き締め的な金融政策の後退でドル売りが一時的に強まる可能性がある。ただ、ユーロ円、ポンド円、豪ドル円などクロス円レートは株高を意識して底堅い動きを見せており、ドル円はクロス円レートの動向に影響される可能性がありそうだ。
パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長は7月2日、欧州中央銀行(ECB)主催の会合で、足元のインフレ圧力低下を認めながらも、利下げに先立ちそれを確証するデータを確認する必要があるとの認識を示した。従来よりもハト派よりのスタンスで、9日に予定される講演会でもほぼ同じ内容の見解が予想される。同氏の発言を受け長期金利の上昇は抑制され、積極的なドル買いは後退しそうだ。なお、米6月消費者物価コア指数(CPI)は前年比+3.4%と予想されている。市場予想と一致した場合、FRBのタカ派姿勢を弱める材料になる。
【パウエルFRB議長講演】(7月9日開催予定)
7月9日に予定されているパウエルFRB議長の講演で、引き締め的な政策方針を維持するか注目される。タカ派姿勢は変わりがなく、ドル高要因となろう。
【米・6月CPI】(7月11日発表予定)
7月11日発表の米6月CPIは前年比+3.4%と予想されている。インフレ鈍化が鮮明になればドル売り要因に。