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《年金財政検証の衝撃》経済成長横ばいなら対現役世代比で約2割減へ 年金を増やすには「繰り下げる、働く、運用する」という3つの選択肢が

新NISAでの運用は元本割れリスクがある一方、「天引きがない」というメリットも

 繰り下げ受給や在職定時改定を使って年金額を増やす選択肢は確実性がある一方、公的年金の受給額が増えることによるデメリットもある。前出・ベテラン社労士が言う。

「65歳以上の夫婦2人世帯の年金生活者の場合、『211万円の壁』と呼ばれるものがあり、年金額がこの壁を超えると、住民税非課税世帯に該当しなくなります(年金収入のみで東京23区など1級地に暮らすなどの条件に当てはまる場合)。そうなると、医療費や介護費の負担が増すといったデメリットが生じる。

 そもそも、年金からは税や社会保険料が天引きされるので、繰り下げ受給で年金の額面を最大84%増やしても、天引き額も増えるので手取りが84%増えるわけではないという点も認識しておく必要があります」

 そうしたなか、第3の選択肢となるのが、「受け取った年金を運用する」という考え方だという。今年から非課税期間が無期限となった新NISA(少額投資非課税制度)を活用するやり方だ。

「受け取った年金を新NISAで運用して増やすことができれば、その売却益や配当金は非課税で受け取れます。また、公的年金の額面はもとのままなので、住民税非課税世帯に該当する場合、その恩恵をそのまま受けることも可能。

 もちろん、投資の場合は元本割れになるリスクもある。リスクを抑えた投資先を選んだうえで、ある程度、長期間の投資を前提にしなくてはなりませんが、投資経験がある人などはこれからの時代、選択肢のひとつとして認識しておいていいのではないか」(前出・ベテラン社労士)

 年金がどんどん減らされていく時代には、一人ひとりが「どう増やすか」を考えなくてはならない。

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