米国を代表する株価指数であるS&P500指数は、史上最高値を更新している。さらに一時は161円台をつけた円安ドル高局面で、日本円換算での米国株の評価額はさらに上昇した格好だ。では、もし円高に進んだ場合、保有する米国株をどう考えればよいか。『世界一楽しい!会社四季報の読み方』などの著書がある個人投資家で株式投資講師・藤川里絵さんが解説するシリーズ「さあ、投資を始めよう!」。第100回は、「円高時の米国株」について。
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このところ米国を代表する株価指数であるS&P500指数は、史上最高値を更新しています。とくに円安ドル高が進行しているため、円建てのS&P500はドル建て以上の上昇となっており、新NISAでS&P500に連動する投資信託で資産運用デビューした人は「NISA、始めてよかったー!」と思っていることでしょう。
株高&円安が反転したときのリスクは?
わたしたち日本人が、アメリカ株を買うときには、まず円でドルを買って、そのドルでアメリカ株を買うという手順になります。そのため、買った時よりドルが高くなって、さらに株を上がってくれれば、ダブルで恩恵を受けます。
たとえば1ドル100円のときに、1株10ドルの株を1株買ったとします。この場合は、1000円で1株買ったことになります(手数料などは省く)。その後、株価が2倍の20ドルに上昇した場合、1ドルが100円のままなら、円換算で2000円、1ドル120円になっていれば、円換算では2400円となります。こんなふうに、アメリカ株を買っている日本人にとっての「株高&円安」は、まことにありがたい状況です。
しかし、このふたつが反転したときは、ダブルパンチを負うことになります。1株10ドルで買った株が、5ドルになった場合、1ドル100円のままなら、円換算で500円ですが、1ドル80円になっていたら円換算で400円になります。
現状、株価は史上最高値を更新しており、為替も1ドル160円を超える円安となっていましたが、7月11日の為替介入により157円台をつけました。このように一時的には逆行することも念頭に備えておいたほうがよさそうです。