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日本での「ふつう」の暮らしは「ふつう」ではない…若き日に海外でパスポートを紛失、丸腰で2週間立ちすくんだオバ記者の実感

オバ記者が海外でパスポートを紛失した当時の経験を振り返る(イメージ)

オバ記者が海外でパスポートを紛失した当時の経験を振り返る(イメージ)

 自らや物事を「ふつう」と捉える人もいれば、その「ふつう」に疑問を持つ人もいる──。『女性セブン』の名物ライター“オバ記者”こと野原広子さんが「ふつう」について考えたことを綴る。

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 人間は二通り。自分を「ふつう」と思っている人と、「ふつうって何?」と思っている人。だとしたら、私は生まれながらにして「ふつうって何?」の方だ。

 まず、自分の正確な誕生日からしてわからない。届け出上、私の誕生日は3月28日なんだけど、本当は4月3日か4日の生まれだと思う。というのも、私が生まれてすぐにお産婆さんから「4月1日までに生まれたことにしたら、学校を1年早く卒業するから親は楽よ」と言われたから……と母親が私に言ったことがあるのだ。

 そんなわけで“超早生まれ”の私の幼少期は「かなり遅れた子」で、気がつくと「ふつう」が苦手になってしまったのはよかったのか悪かったのか。

 なんてことを思ったのは、先日ひょんなことで知り合ったカツコさん(72才)から海外旅行の体験談を聞いたからだ。ご主人が自営業者でお金に困ってないせいか、「人から誘われたら行く」をモットーに、ヨーロッパにニューヨーク、北欧にエジプト、ロシアと旅先もバラエティーに富んでいる。

 が、「どこがよかった?」と聞くと、「う~ん、食事はミラノで、ホテルはホノルルかな」と街の印象はあっさり。なのに、ツアー仲間や添乗員の話になると「ありえない」「信じられない」「許せない」「頭にきた」と表情豊か。そのエピソードに必ずつくのが「ふつう」という言葉なんだわ。

「ふつう、集合時間の10分前に集まるじゃない?」「ふつう、お風呂に入る順番は一日交代よ」などと、「ふつう」のオンパレードだ。さらに口を極めるのは添乗員の善し悪し。すっかり毒気に当てられてしまった。

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