ギターが入っていない音楽が主流に
その一方で音楽業界では、サブスクという“暴風雨”が吹き荒れている。そうしたトレンドの変化もギターには逆風だ。
「今やヒット曲はダンスやラップが主流で、ギターの存在感はすっかり低下。サブスクが当たり前になると、音楽にも“タイパ”が求められるようになり、曲の尺はどんどん短くなっていて、ギターソロになるとスキップする人さえいます。
すでにサブスクに対応するため、ポップミュージック界隈では“イントロは不要”“サビはアタマに”“1曲は◯分以内”といったヒットの法則が確立されつつあり、制作コストを下げるためにギターソロをカットする流れも生まれています。2022年にはニューヨーク・タイムズが、同年のグラミー賞のロック部門でノミネートされた作品にギターソロが1つもなかったと指摘。多くのミュージシャンから驚きの声が上がりました。
音楽関係者の中には、“そのうち揺り戻しが来る”という楽観的な意見もありますが、音楽を聴く環境がどんどん手軽になる中で、もう一度“腰を据えてゆっくり音楽を聴く”という方向に世の中が振れるとは考えにくい。ギターソロがないどころか、そもそもギターが入っていない音楽が主流になりつつあります」(同上)
ギターはこのまま、“親しみのない”楽器になってゆくのか。(了)