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【10月から「はがき85円」に】郵便料金を値上げしても“焼け石に水” 郵便事業の赤字896億円を抱える日本郵便の苦境

『縮んで勝つ 人口減少日本の活路』(小学館新書)

『縮んで勝つ 人口減少日本の活路』(小学館新書)

 配達用のバイクや車の燃料費の上昇をはじめ諸物価の高騰の影響もある。総務省の試算によれば、現行料金のまま据え置いた場合、郵便事業の赤字額は2025年度に2376億円、4年後の2028年度には3439億円にまで膨らむという。

 だが、今回の値上げが郵便事業の経営改善に及ぼす効果は極めて限定的だと見られている。同省の試算では値上げにより2025年度こそ67億円の黒字となるが、2026年度には再び400億円の赤字に転落。2028年度には1232億円に達する。まさに焼け石に水である。

【プロフィール】
河合雅司(かわい・まさし)/1963年、名古屋市生まれの作家・ジャーナリスト。人口減少対策総合研究所理事長、高知大学客員教授、大正大学客員教授、産経新聞社客員論説委員のほか、厚生労働省や人事院など政府の有識者会議委員も務める。中央大学卒業。ベストセラー『未来の年表』シリーズ(講談社現代新書)など著書多数。最新刊『縮んで勝つ 人口減少日本の活路』(小学館新書)では、「今後100年で日本人人口が8割減少する」という“不都合な現実”を指摘した上で、人口減少を前提とした社会への作り替えを提言している。

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