ホールの広告宣伝のルール緩和と健全化
そして、機種に関する変化だけでなく、パチンコホールにおける広告宣伝の規則も変わっている。パチンコホール関連4団体(全日遊連、日遊協、MIRAI、余暇進)が「広告宣伝ガイドライン」を発出し、ホールにおける広告宣伝を健全化しつつ一部緩和しようという流れがあるのだ。
そもそも遊技人口の減少の一因として、パチンコホールの広告宣伝が難しくなったことが挙げられる。
かつては、多くのパチンコホールが集客のためにさまざまなイベントを開催していたが、東日本大震災の自粛ムードの中で、“イベント開催”といった形の広告宣伝が厳しく制限されるようになった。
長らくイベント開催ができない状態が続いていたが、近年は“晒し屋”と呼ばれるSNSのアカウントやインフルエンサーを使って、ひっそりとイベントを告知するなど、ルールの抜け道を探して広告宣伝を行うホールも登場した。
「ホール関連4団体が発出した『広告宣伝ガイドライン』では、イベントの告知などもOKとなりました。もちろん射幸性をあおるような広告宣伝はNGですが、事実上のルール緩和です。同時に、晒し屋などを使った“ステルスマーケティング”は明確にNGとなっています。あくまでも“ルールの中でイベントを告知しましょう”ということです」
晒し屋の情報は、誰でも簡単に手が届くものではない。そういった情報を積極的に集めているヘビーユーザーのためのものであり、ライトユーザー向けのものではない。
「晒し屋の問題点は、基本的にステマであり、広告ではないものとして告知されていることです。だからこそ、射幸性をあおるような内容が当たり前になっていて、ルールが無視されていました。それを明確に禁止することで、業界の健全化も図れますし、イベントが一部のヘビーユーザーのためのものではなく、初心者にも優しいものとなっていくでしょう。そういう意味は『広告宣伝ガイドライン』は、パチンコ・パチスロ人口の裾野を広げていく効果はあると思います」
遊技参加人口は回復傾向にある一方で、パチンコホールの営業店舗数は減少し続けている。出玉性能の制限緩和や広告宣伝のルール変更が、閉店ラッシュを食い止めることができるかどうかにも注目だ。(了)