朝の繁華街に何やら行列ができていて、何かと思って覗いてみると、その先にはパチンコ店があった――なんていう体験をしたことはないだろうか。あらゆるパチンコ店に開店待ちの客が行列を作っているわけではないが、人気店では日常茶飯事となっているこの光景。パチンコ・パチスロファンたちは、一体何を求めて、朝から並んでいるのだろうか。
「行列を作っているのは、パチンコファンよりもパチスロファンの方が多いですね。パチスロの場合、店側が出玉率を調整するための“設定”というものがあります。機種によって違いはありますが、基本的には設定は6段階で数字が大きくなるほど出玉率が良くなる。つまり、高設定台を打つことができれば、それだけ勝つ確率が高くなるということです。朝から行列を作っている人は、パチスロの高設定台を狙っているケースが多いでしょう」(パチンコ・パチスロに詳しいライター)
朝の行列のシステムは店によって様々だ。並んだ順に入店できる店もあれば、抽選で入店順を決める店もある。
「人気店では抽選を行うことがほとんど。抽選参加者が設置台数より多くなる店もあります」(前出・ライター)
朝から打ってズルズルと大負けするケースも
30代の自営業の男性・Aさんの趣味はパチスロ。仕事が休みの時は、都内の人気店に朝から並ぶことも多いという。
「私がよく行くホールでは、日によって多少違いますが、基本的に開店は10時からで、抽選受付が9時30分まで。9時45分くらいから再整列をして入店します。朝から打ちに行く日の前日の夜は、実際にお店に行って、出玉状況を調べるんです。それで、何日間かヘコんでいる(ボーナス回数が少ない)台があれば、“そろそろ高設定を入れそうだな”ということで、狙い台としてチェックしておく。そして、朝からその台を打つというパターンです」
また、抽選で引いた番号が悪い時は、別の店に行くこともあるそうだ。
「抽選で早い番号が引ければ、打ちたい台に座れるわけですが、番号が遅いと狙い台が取れない。そういう時は、別の空いている店に行って、まったり打つことも多いですね」(Aさん)
しかし、朝から狙っていた台を打てたからといって、もちろん勝てるわけではない。
「狙っている台を朝から打つとなると、自分としては“高設定かもしれない”と思っているので、出玉状況が悪くても“もうちょっと打てば伸びるかも……”なんていう発想になりがちなんです。それで、全然当たらないのに、ズルズルと打ってしまい、結局大負けするなんてこともある。なかなか難しいですね……」(Aさん)