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《まじめの功罪》カスハラや自粛警察に見られる“不健全なまじめさ”から脱却する方法

健全なまじめさ、不健全なまじめさの概念

健全なまじめさ、不健全なまじめさの概念

ウェルビーイングな脳の使い方を

 岩崎さんによると、健全なまじめさと不健全なまじめさを分けている脳の領域のひとつが、大脳の内側に位置している「島皮質」の働きなのだという。

「島皮質が活発に活動していると、共感力が高まり、相手を思いやり、助ける気持ちが強くなることがわかっています。

 一方、ここの動きが鈍くなると、扁桃体(側頭葉という脳の中心近くにあり、不安や恐怖などの感情にかかわる神経群)が過剰反応し、『他人を責める』『融通が利かない』『人の言うなりになる』『損得のために嘘をつく』といったネガティブな反応が出るようになります」

 掲載図の縦軸にあるように、“まじめすぎ”と“ふまじめ”は、行ったり来たりする関係性。脳の動き方も、実は同じなのだそう。

「多くの人は、縦軸の中でうまくバランスを取ろうとするのですが、島皮質の動きが活発化しない限り、不健全なまじめさから抜け出せません」

 不健全なまじめさの特徴は、「個分離思考」という脳の使い方をしている点だという。

「個分離思考とは、自分と相手の考えが分離している状態。自分のことに執着し、他人への理解ができていない。たとえば友人に『あなたのために言ってるのよ』と忠告しても、個分離思考の人は相手のことを思いやっているのではなく、自分の意見こそが正しくて、それを押しつけたいだけ。当然、相手に響くはずがありません。相手の迷惑になっていることにも気づかないのが特徴です」

 知人や家族に正義の押し売りをしていないか、振り返ってみなければ……。

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