投資情報会社・フィスコが、株式市場の8月5日~8月9日の動きを振り返りつつ、8月13日~8月16日の相場見通しを解説する。
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先週の日経平均は週間で884.70円安(-2.46%)の35025.00円と下落。過去最大の下落幅と上昇幅を同時に記録する歴史的な週となり、週間値幅は4693.65円。5日の東京市場は、米国株の大幅下落や為替の急激な円高推移を受けて、ハイテク株など大型株の多くが売り気配スタートとなり、日経平均は下げ幅を一気に拡大。先物市場で日経平均先物、TOPIX先物、グロース市場250指数先物でサーキットブレイカーが発動し、信用取引に絡んだ現物株の投げ売りが加速。為替が1ドル141円台まで円高が急加速したことから日経平均は31156.12円まで暴落した。
5日の下落幅は4451.28円と1987年10月20日のブラックマンデー翌日の3836.48円を超える過去最大を記録。翌日は急反発となり、上げ幅は3217.04円とこちらも過去最大の上昇幅に。投資家の心理状態を示す日経平均VIは一時85.38まで急騰し、2020年3月のコロナショック時の60.67を大幅に上回った。
7日に、内田眞一日本銀行副総裁が「金融資本市場が不安定な状況で、利上げをすることはない」と植田和男日銀総裁が残した「タカ派色」を打ち消したことで市場はやや落ち着きを取り戻した。ただ、7月31日から8営業連続で一日の値幅は1000円を超えており、乱高下の地合いは続いている。
なお、7月第5週の投資主体別売買動向によると、外国人投資家は現物を5670億円売り越したほか、TOPIX先物を2147億円売り越し、225先物は2226億円売り越したことから、合計1兆43億円の売り越しとなった。一方、個人投資家は現物を4796億円買い越すなど合計で4609億円買い越し。なお、信託は現物を247億円と小幅買い越した。
8日の朝方、日銀が7月30日-31日に開催された金融政策決定会合の「主な意見」を発表した。主な意見では「2025年度後半の「物価安定の目標」実現を前提とすると、そこに向けて、政策金利を中立金利まで引き上げていくべきである。中立金利は最低でも1%程度とみているが、急ピッチの利上げを避けるためには、経済・物価の反応を確認しつつ、適時かつ段階的に利上げしていく必要がある。」と記載があった。この発言主はわからないが、植田日銀総裁が記者会見で発したコメントとほぼ同じであるので、植田日銀総裁の可能性はある。