追証が発生する条件とは?
追証が発生するのは、「委託保証金維持率」が設定された最低基準を下回ったときです。委託保証金維持率とは何かというと、簡単に言うとレバレッジの逆数のことです。
株式投資で最も高いレバレッジは3.3倍です。これは、100万円の保証金があれば330万円分までの取引ができるということを意味します。
この関係を逆に見ると、委託保証金維持率が計算できます。証券会社が投資家に330万円を貸していて、その担保として100万円があった場合、この割合が委証金維持率となり、計算結果は30%になります。
証券会社によって維持率の最低基準は異なりますが、一般的には20~25%の範囲で設定されています。この最低基準を下回ると、証券会社は追証を求めることになります。
追証が発生したときに求められる対応
皆さんもニュースやSNSで見かけたかもしれませんが、8月2日、8月5日には多くの追証が発生した可能性があります。
例えば、レバレッジを最大の3.3倍かけていた場合、約13.3%の下落で追証が発生しますが、2倍のレバレッジをかけていた場合は、約30%の下落で追証が発生します。
8月5日、日経平均株価は4451円(12.4%)下落し、多くの銘柄が15%超値下がりしました。この大きな下落により、かなりの銘柄で追証が発生したと考えられます。
追証が発生すると、投資家は翌々営業日の正午(※維持率によっては翌営業日の証券会社もある)までに以下のいずれかの方法で対応する必要があります。
【1】追加で入金して担保を増やす。
【2】保有しているポジションを売却する。
もし、期限までにこれらが解決されない場合は、残念ながら強制的に決済されることになります。
追証が発生しやすい銘柄の特徴
追証が発生する可能性がある銘柄は、事前にある程度予測することができました。特に以下のような銘柄です。
・信用買い残が多い銘柄
・株価水準が高い値嵩株
・直近で急に値下がりした銘柄
半導体企業のディスコ(6146)を例として見てみましょう。この銘柄は、1株が4万円を超えるような値嵩株で、信用買残が多い状態で大幅安が続き、8月5日にはストップ安となっています。
そのため、8月7日の午後には、入金が行われなかった投資家による、強制決済が実行される可能性がありました。しかし8月7日は、株価は寄り付きから上昇を続け、終値は+12.4%と大きく上昇しました。