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宅配ドライバーが恐れる「ヤバい家」 「箱が汚れている!」と土下座強要、ドアを開けた途端に異臭…要注意人物として社内で共有も

パンツ一丁の男性が触ってくる

 Hさん(20代男性)が在籍する事業所の配達エリアでも、「ヤバい家」は存在している。

「インターホンを鳴らすと『ちょっと待ってください』と言われたので、荷物を持って玄関前で待機していました。しばらくしてガチャガチャと鍵を開ける音が聞こえ、現れたのは中肉中背の男性なのですが、上半身は裸で、パンツ一丁。

 まあ、家ではそういう格好もあるかもしれないとは思いつつ、荷物を受け取るときにやたら無駄に触られたような……。まさかの出来事に声も出ず、逃げるように家から離れました」(Hさん)

 Hさんがこの出来事を上長に報告すると、これまでは「いたって普通の客」だったとのこと。ただし怖がるHさんに配慮し、この男性の家はHさん以外が担当するように配置換えされた。

暑い季節は特に避けたいが…

 Sさん(40代男性)が担当するエリアには、「夏になるとヤバい家」があるという。

「生ごみが腐った匂いなんでしょうけど、玄関のドアを開けたらすさまじい異臭がします。ドアを開けたことによって風が通り、部屋内の凝縮された悪臭が一気に鼻に飛び込んでくるので、毎回気絶しそうになります。部屋の廊下にはゴミ袋がうず高く積まれているのが見え、コバエが壁に張り付いています。その壁も茶色いシミで汚れ、ところどころ破れているんです。

 なぜこんなに部屋の様子をよく知っているのかと思われそうですが、その家に住む男性は、ドアを開けた後、荷物を『ここに置いてほしい』と言って中まで招き入れるんです。こちらは早く撤収したいのに……と思いつつ、断るわけにもいきません。

 特に暑い季節になるとこの家に行くのは憂鬱になります。正直、“勝手に置き配”をしたいレベルですが、そういうこともできず……」(Sさん)

 配送は相手を選ぶことができない仕事の一つだけに、非対面での受け取りが普及すればドライバーの悩みも減っていくかもしれない。(了)

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