優良銘柄を買っておけば急落に焦る必要はない
今回のように、相場全体の急落とともに自分が保有する銘柄の株価が大きく値を下げると、さらにどんどん下がるのではないかという恐怖心が芽生える。結果、損失が確定することを覚悟で保有銘柄を売って「損切り」する人も多かったようだが、藤本さんはこんなアドバイスを送る。
「そうした投資心理もわからなくはありませんが、値下がりした時に売ること、いわゆる『損切り』は一番お勧めできない悪手だと思います。今回ほどの大暴落とまではいかないまでも、株投資をしていれば、保有銘柄が急落することは日常茶飯事です。その際に焦って損を被らないためには、普段から優良銘柄を買って、それを長期保有することです。優良銘柄を選ぶポイントは、『増収・増益・増配』であるかどうか。要するに、売上が増え、利益も増え、利益が配当に回っている銘柄が優良銘柄です。
そうした優良銘柄であれば、一時的な急落があっても焦る必要はなくなる。むしろ暴落した際の行動としては、一度冷静になって『保有したまま様子を見る』か、あるいは『もっと買い増しする』かのどちらかの策を取るべきだと考えます。私は、とくに下落した時こそ『買い増し』をお勧めします」
豊富な経験に裏打ちされた言葉と言えるだろう。そうした考え方をもとに、藤本さんは今日も取引を続けている。
【プロフィール】
藤本茂/19歳で株式投資を始め、1986年に転換社債の投資を機に専業投資家になる。66歳でパソコンを買い、ネット取引に移行。68年間、個人投資家として相場に挑み、現在の資産は20億円を超える現役トレーダー。「投資に年齢は関係ない」がモットー。