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【最新調査】役員1億円以上の上場企業は「金融」「総合商社」に偏重 最多34人の日立製作所は「専務のほうが社長より3億円も多い」

「いい車」と「儲かる車」の両立に挑むCFO

 大手総合金融サービス企業のオリックスは6人。最高額は社長の井上亮氏(71)で3億9500万円。多角的な金融サービスを提供するオリックスを先導する井上氏だが、プライベートの投資では“苦い思い出”もあるようだ。経済ジャーナリストの河野圭祐氏が言う。

「井上さんは1990年代のバブル期に大枚を投じてマンションを購入しましたが、バブル崩壊とともに資産価値がみるみる下落してしまった。結局、社長就任後に物件を手放したが、価格は購入時の3分の1以下だったそうです。取材した際に井上さんが『自分は会社のディールは自信あるけど、個人の取引はさっぱりや』とうなだれていましたね」

 円安で好調の自動車業界ではトヨタ自動車と本田技研工業が7人。トヨタは時価総額でも日本トップだが、そんな同社副社長でCFO(最高財務責任者)でもある宮崎洋一氏(60、2億9700万円)は“トヨタの金庫番”と言える存在だ。自動車研究家の山本シンヤ氏はこう話す。

「宮崎さんは財務を任されていますが、元々は営業出身です。財務と営業は相反するところがありますが、その辺りのバランスが実にお見事。豊田章男会長(68)は『もっといい車を作ろうよ』という。でも儲けが出ないとダメ。その2つを両立させようと頑張っているのが宮崎さんです。実際に、トヨタの車を見ていくと前の車よりも今の車のほうが確実に進化していますが、新しいほうが原価は安い。宮崎さんに『どんな車が好きなんですか?』と聞くと『たくさん売れる車が好き』と笑いながら言います。変な意味ではなくて、次の車の開発ができるようにちゃんと儲けられることが大事だと考えているのでしょう」

 足元の株価や為替は乱高下を繰り返している。果たして、来年以降の役員報酬にはどんな変化が起きるのだろうか。

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