8年ぶりにヘッドコーチに復帰したエディ・ジョーンズ氏が率いるラグビー日本代表が8月26日(日本時間)のカナダ代表戦(パシフィックネーションズカップ2024初戦)に臨む。6月から続いた国内でのテストマッチで結果が残せていないだけに、奮起が期待されている。「強い日本代表」が求められるのは、2022年から新体制となった国内リーグ「ジャパンラグビー リーグワン」の存続に関わるからにほかならない。日本代表キャプテンのリーチ マイケルらを擁し、リーグワン創始3季目に初優勝を果たした東芝ブレイブルーパス東京の荒岡義和社長に、フリーライターの池田道大氏が聞いた。
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東芝ブレイブルーパス東京の14シーズンぶりの優勝で幕を閉じた今季(2023年12月〜2024年5月)のラグビー最高峰リーグ「リーグワン」。ディビジョン1〜3で計173試合を行い、総入場者数は114万2294人で、前身のトップリーグ時代を含めて過去最多だった昨季の約1.5倍。ディビジョン1の平均入場者数は8929人となり、昨季の5744人を大きく上回った。
リーグの盛況を手放しで喜ぶ声が多い中、チャンピオンチームを運営する東芝ブレイブルーパス東京株式会社(BL東京)の荒岡義和社長は「正直、期待外れでした」と手厳しい。
「2023年はフランスでラグビーのワールドカップが開催されました。関係者から『4年に1度の特別な年は国内リーグが盛り上がる』と聞いていたのでどれだけすごいかと期待していたのに、それほどでもなかった。外国でワールドカップが開催されたらこの程度なのかと。もしもワールドカップがなかったらもっと落ち込んでいたはずなので、はっきり言って私は危機感のほうが強い。このままでは来年のリーグワンが心配です」(荒岡社長・以下同)
昨秋に開催されたラグビーワールドカップフランス大会。2019年大会でも活躍したトヨタヴェルブリッツ所属の姫野和樹がキャプテンとして牽引した日本代表は1次プールで強豪のイングランド、アルゼンチンに連敗して予選突破はならなかった。
「日本代表がベスト8に進めなかったから、リーグワンの観客が予想より伸びなかったのかどうかはわかりません。それでも2015年大会で南アフリカに勝利して、19年の自国開催でベスト8入りしたインパクトは非常に大きかった。サッカーのワールドカップ(FIFA2022カタール大会)もそうでしたが、最初は優勝なんかムリと思っていてもスペインやドイツといった強豪国を打ち破って予選突破すると、『もしかしたら……』と国中が盛り上がりますよね。去年のワールドカップのジャパン(ラグビー日本代表)にはそんな勢いが見えませんでした」