投資

《株主優待が健在の10銘柄》桐谷さんが配当も期待できる銘柄を見つける極意をアドバイス カギは「生活圏で使える優待券+実質利回り4%」

株主優待の達人・桐谷さん

株主優待の達人・桐谷さん

 株主優待は個人投資家にとって大きな楽しみのひとつだが、昨今、サイゼリヤ(東証P・7581)、日本KFCホールディングス(東証S・9873)、永谷園ホールディングス(東証P・2899)など、株主優待の廃止を決定する企業が相次いでいる。その中で、あえて優待制度を維持、拡充する企業もある。では、どのような優待銘柄を選べばよいのか。投資家で「株主優待の達人」の異名を持つプロ棋士・桐谷広人氏と、投資のプロであるマーケットバンク代表の岡山憲史氏に、注目優待銘柄を挙げてもらった。

まだまだ健在「もらって嬉しい」株主優待10

 まずは食品から小売、運輸まで、岡山氏が注目する企業の株式優待を表にまとめた。いずれも「もらって嬉しい」利益実感が大きな優待銘柄である。

岡山氏が選んだ株主優待

岡山氏が選んだ株主優待

 投資家で「株主優待の達人」の異名を持つプロ棋士・桐谷広人氏もこう話す。

「実は最近、長期間にわたり株を保有する個人の“安定株主”を維持、増やす狙いで、株主優待を新設・拡充する企業も目立っています。昨年は、商船三井(東証P・9104)が従来の乗船優待券に加え、カタログギフトの贈呈を始めました。また『無印良品』の良品計画(東証P・7453)は、新たに株主優待を新設、店舗で使える5%オフ(現在はさらに7%に拡充)の優待カードを贈呈しています。株主優待が経営上のメリットになると判断しているからでしょう」

株主優待は「普段使いできる商品・サービス」を狙う

 そこで桐谷氏に、これから「株主優待」目的に投資デビューを考えている人に、アドバイスをもらった。

「大きなポイントは『自分の生活圏内で使える』優待品を狙うことです。食事券などをもらえても、近くに店舗がなければ期限切れで無駄になることも多々ある。自社商品についても、日常使いする消耗品が多くあるかがポイントになります。せっかく株主優待をもらったのに、期限切れなどで無駄になることも少なくありません。

 魅力的な株主優待を探し、見つけるのは株投資の大きな醍醐味。基本的に私は『株主優待+配当利回り』が4%を超える銘柄を探します。ただ初心者であれば、最低購入額が比較的安い銘柄を複数買い、株主優待を楽しみながらリスクを分散するのが良いのではないでしょうか」

 そう話す桐谷氏が目下注目しているのは、雑貨チェーンを展開するサックスバーホールディングス(東証P・9990)、ネット通販を展開するスクロール(東証P・8005)だ。

「サックスバーHDは100株以上の保有で2000円分の株主優待券がもらえ、配当利回り+株主優待利回りは7%近くになっています。また、スクロールは配当利回りだけで5%あり、100株以上の保有で自社通販サイトでのポイントが1000円分もらえる。100株を3年以上保有するとポイントが2.5倍になる優遇もあるので魅力的です」

 配当金などの数字だけにとらわれず、「株主」ならではの“特権”を享受することも、株投資の楽しみのひとつと言えるだろう。

■前編記事:サイゼ、KFC、永谷園も… なぜ「株主優待」廃止・縮小を選ぶ企業が続出しているのか

注目TOPIC

当サイトに記載されている内容はあくまでも投資の参考にしていただくためのものであり、実際の投資にあたっては読者ご自身の判断と責任において行って下さいますよう、お願い致します。 当サイトの掲載情報は細心の注意を払っておりますが、記載される全ての情報の正確性を保証するものではありません。万が一、トラブル等の損失が被っても損害等の保証は一切行っておりませんので、予めご了承下さい。