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日米金利差縮小で為替トレンド転換も視野に 「円高ドル安」局面で業績成長が期待できるニトリ、朝日インテック、ブロンコビリーの注目3銘柄のポイント解説

ニトリ(9843)

 円高恩恵銘柄の代表格として知られるのが家具・インテリア販売チェーン最大手のニトリである。同社では仕入れが海外、販売の90%以上が日本ということで、ここ数年の円安ドル高局面ではその恩恵を受けることがなかった。

 しかし、円高局面が来るのであれば今までとは全く逆の展開が考えられる。仕入れなどの輸入コストは安定し、海外の売上が少ないことは、これからは売上、利益へのマイナス影響も、外需銘柄に比べ圧倒的に少なくなるという、まさに円高恩恵銘柄である。

 同社では8月7日に2025年3月期第1四半期決算を発表しており、新規出店や賃上げといった取り組みも進めている。逆風であった円安局面での輸入コストの増加を乗り越え、対前年同期比で増収増益となり、今期の売上も過去最高の売上予想をしている。今後の円高局面の到来があれば、上方修正も期待できる銘柄として注目だろう。

朝日インテック(7747)

 医療用器具を製造しており、カテーテル治療用ガイドワイヤなどを海外生産している企業として知られる同社は、円高局面が訪れたとしてもその影響を受けずに業績成長できる可能性が高そうだ。同社は8月14日に2024年6月期本決算を発表しており、前期比で売上高+19.4%、営業利益+22.8%、経常利益+24.6%、純利益+20.6%という大幅な成長を遂げ、過去最高売上、最高利益を更新している。また、2025年6月期においても売上、利益ともに最高業績を更新する予想を出しており、増配の発表も行っている。

 同社の売上構造は主に海外を中心としているものの、米国、欧州、中国、日本と満遍なく分散されていることが特徴で、為替動向的には円安に恩恵がある銘柄と言える。とはいえ、医療用器具という商品の特性から考えても為替要因よりも同社の品質の高さが売上につながっている。今後、円高局面が訪れても、その事業ポートフォリオのバランスの良さからも大きな崩れを受けず、業績成長していくことが期待できる。また、積極的な研究開発を日本、海外の両方で行っている。

 中期経営計画において2026年6月期で達成を掲げていた連結売上高1100億円を、1年前倒しの2025年6月期での達成を目指していることも、事業の好調さをうかがわせる。同社も今後目が離せない銘柄だろう。

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