今でも家庭科の教師や管理栄養士、保育士といった職種はその多くが女性だろう。しかし、今はほかの職種でも女性が出産後も働けて、管理職になったり、キャリアを積めたりするようになった。そうすると、家政や保育といった職種以外にも選択肢が広がり、家政や保育の学部学科もかつてほどには人気が集まらなくなっているといえる。
実際、関西のマンモス共学大学の職員はいう。
「本学の法学部や経済学部で女子が増えています。希望する学部が女子も男子も同じになってきました。そうなると文学部や家政学部が中心の女子大は厳しいと思います」
このような要因があって、女子大は現在、学生が集まりにくくなっている。ある関東の大規模な共学大学の幹部はいう。
「女子学生の話を聞いていると『女子大はなくなっちゃうんじゃないか』という不安もあって、共学を選ぶようです。自分が卒業した大学が消滅してしまうのは困るという心配もあって、規模が大きく知名度もある共学の方がいいと考えるようですね」
つまり、受験生が「女子大はなくなっちゃうんじゃないか」と不安になる時代が到来している。一方で、前回記事にも登場した、津田塾出身の私立高校の教師はこうも話す。
「女子大が一概にもう駄目だということではないでしょう。たとえば津田塾大は新しく千駄ヶ谷に作った総合政策学部は好評です。ほかにも努力されて改革をしている女子大はあって、そういうところには学生が集まりますし、ちゃんと生き残っていきます。たとえば昭和女子大とか」
別の私立の中高一貫校の進路指導の教師からも、注目する女子大として昭和女子大学の名前を聞いた。そこで昭和女子大を取材してみた。