女子大が岐路に立たされている。名門といわれた女子大学でも、定員割れや入学難易度が低下。そんな中、昭和女子大学は学生のニーズに応える変革を行ってきた大学の一つだ。それはどのようなものか。『中学受験 やってはいけない塾選び』が話題のノンフィクションライター・杉浦由美子氏がレポートする「女子大の苦境と挑戦」。【第3回。第1回から読む】
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1990年代、女子短大が低迷し淘汰されていったが、今、その淘汰の波が女子大に押し寄せてきている。白百合女子大やフェリス女学院大、清泉女子大、東洋英和女学院大などの名門キリスト教系女子大が定員割れをし、難関女子大として知られる津田塾大や東京女子大、日本女子大も難易度を大きく下げている。
その理由を大手予備校の講師は「学生が行きたい学部学科が、女子大にはないから」と説明する。女子大の看板だった文学部や家政学部に受験生たちが魅力を感じなくなっている。
一方で、津田塾大でも東京都心の千駄ヶ谷に新設された社会科学系の総合政策学部は好評で、偏差値も52.5(A方式、河合塾データ)と比較的高い。都心にキャンパスがあり、学部が社会系だと人気が上がるわけだ。このように時代のニーズにあった学部学科を新設し、志願者を集めている女子大はいくつかあり、そのひとつが東京・三軒茶屋にある昭和女子大学だ。前回に引き続き、昭和女子大の関係者へのインタビューを紹介していこう。