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初回クーポンの沼から抜けられない“美容室難民”の実態 「どこにするか決め手がない」と悩む顧客と美容師の本音

初回の“お試し”価格だと思えば気が楽

 PR代理店勤務の20代女性・Bさん(東京都在住)も初回クーポンにはまっている。ただ、「最初からクーポンにこだわっていたわけではない」という。

「通っていたサロンでお世話になっていた美容師さんが辞めてしまってから、美容室難民になりました。それから、インスタや口コミをいろいろ調べて、新しいお店に行くようになったんですが、思い通りの髪型にならないとか、カラーにムラがあるなどが続きました」

 なんとかしてお気に入りの美容室をみつけようとしたBさん。「美容室の検索にはクーポンサイトが便利」ということに気づいてから、「初回クーポン」の沼にハマった。

「いろいろ調べて失敗したらダメージも大きいですが、初回のお試しだと思えば、気が楽です。しかも、予約の時点で口コミを『書く』としておけば、美容室のほうもこちらがクーポンサイトから来た新規で、かつ口コミを書かれるのもわかっているのか、接客がこころなしか丁寧になっている気がします。ただ、別にクーポンありきというわけではなく、どこか一つに決めたいという気持ちはありますよ」(Bさん)

「地域に一生分ぐらい美容室がある」

“毎回初回”だと、その都度美容師に髪型や髪質を説明する必要に迫られる。面倒にも思えるが、都内の大学に通う20代女性・Cさん(神奈川県在住)は、「いろんな美容師さんの意見が聞けるからおもしろい」と前向きだ。

「ブリーチやカラー、パーマなど、1回の施術で何万円もかかるので、少しでも安くするために“初回クーポン荒らし”のようなことをしています。髪の説明が面倒とかよりも安いほうが大事。私の家から大学までの間のエリアなら定期の範囲なので行くのも苦ではないし、たぶん一生分ぐらい美容室があるので、初回クーポンが使えないところには行かないです」

 そんなCさんが美容室を固定しない理由は、もう一つある。

「私は思い立ったらすぐに美容室に行きたいタイプなんですよね。“今日空いている美容室”で検索して行くわけですが、そうすると“この間行った美容室”にこだわっていられなくなる。たしかにイマイチな美容室に当たることもありますが、どうせ髪は伸びるんだし、そんなに引きずらないですね」(Cさん)

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