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キャリア

【UUUM創業者・鎌田和樹氏×吉本興業前会長・大崎洋氏】ダウンタウンとHIKAKINを支えた2人が語り合う「名前のない仕事」論

大崎洋(おおさき・ひろし)/1953年生まれ。大阪府出身。1978年吉本興業入社。東京異動を経て大阪で1982年開校の芸人養成所「吉本総合芸能学院」(NSC)を担当。1期生ダウンタウンのマネージャーに。2009年に社長、2019年に会長就任、2023年に退任した

大崎洋(おおさき・ひろし)/1953年生まれ。大阪府出身。1978年吉本興業入社。東京異動を経て大阪で1982年開校の芸人養成所「吉本総合芸能学院」(NSC)を担当。1期生ダウンタウンのマネージャーに。2009年に社長、2019年に会長就任、2023年に退任した

過去は振り返らない

大崎:YouTuberという存在を世の中に広げ、UUUMの上場を果たしていくなかで、鎌田君はどんな思いで働き続けてきたんかな。

鎌田:「誰かのために」という思いですね。やっぱり、人は「誰かのために」という思いを持つ時、いちばん力を発揮できると思うんです。そして、そのことが結果的に自分のためにもなっていく。UUUMでクリエイターたちと働いた日々は、僕にそう教えてくれました。

 ところで、僕には大崎さんに一つ聞きたいことがあるんです。僕は昨年、UUUMから完全に離れ、今は新しい会社を作って次に何をしていこうか考えているところです。大崎さんも昨年に吉本興業の代表を退き、今は大阪・関西万博など新しい仕事をされています。新しい世界に飛び込む時はどんな心境でしたか。

大崎:僕が会社を辞める時に心に決めたのは、「過去は振り返らない」ということやった。だから、吉本時代の人脈や知り合いとも、連絡は取らないことに決めています。自分をゼロに限りなく近くして、「何をしようかな」と考えてみよう、と。

鎌田和樹(かまだ・かずき)/1983年生まれ。東京都出身。2003年、光通信に入社。当時の最年少役員になるも起業を決意し、2013年、UUUMを設立。YouTuberという職業の社会的地位を確立した。2023年にUUUMを卒業

鎌田和樹(かまだ・かずき)/1983年生まれ。東京都出身。2003年、光通信に入社。当時の最年少役員になるも起業を決意し、2013年、UUUMを設立。YouTuberという職業の社会的地位を確立した。2023年にUUUMを卒業

鎌田:なぜゼロにしようと思ったんでしょうか。

大崎:そうやなあ。昔の仲間に連絡したり、「メシでも食おう」「最近どうや?」と言ったりするのは、何だか嫌やなと思ったんやね。この年まで働いていると、残りの人生をもう一度、ゼロから生きてみたいという気持ちが生まれるのかもしれんね。

 鎌田君はそんな僕とは違って、まだまだ人生これからや。でも、時間がたっぷりあればあるほど、人は迷いも多くなる。その迷いをしっかり楽しみながら、次の道を見つけていってほしい。

鎌田:ありがとうございます。僕にとって「仕事」とは楽しむもの。10のうち9は苦しいけれど、残りの1で満たされることの繰り返しです。

 自分の好きなものに出会えるよう、今は種まきを続けているところです。

大崎:そうやね。鎌田君がまたどんな「名前のない仕事」を見せてくれるのか、僕は本当に楽しみにしとるよ。

【プロフィール】
鎌田和樹(かまだ・かずき)/1983年生まれ。東京都出身。2003年、光通信に入社。当時の最年少役員になるも起業を決意し、2013年、UUUMを設立。YouTuberという職業の社会的地位を確立した。2023年にUUUMを卒業。8月に初の単著となる『名前のない仕事─UUUMで得た全知見』(ダイヤモンド社)を刊行した。

大崎洋(おおさき・ひろし)/1953年生まれ。大阪府出身。1978年吉本興業入社。東京異動を経て大阪で1982年開校の芸人養成所「吉本総合芸能学院」(NSC)を担当。1期生ダウンタウンのマネージャーに。2009年に社長、2019年に会長就任、2023年に退任した。同年、著書『居場所。』(サンマーク出版)を刊行。現在は大阪・関西万博の「催事検討会議」共同座長などを務める。

※週刊ポスト2024年9月13日号

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