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【製パン大手3社と業界団体に聞く】「トランス脂肪酸」含有量に関する表記が統一されていない現状への見解

各社でトランス脂肪酸の含有量について“表記の揺れ”が起きている(写真:イメージマート)

各社でトランス脂肪酸の含有量について“表記の揺れ”が起きている(写真:イメージマート)

 人体に有害だとして世界的に規制が進む「トランス脂肪酸」を含む食パン・菓子パン。WHO(世界保健機関)は2018年、トランス脂肪酸の食品への含有を「2023年までに全廃する」との目標を掲げ、その勧告に応じて世界46か国が規制を導入した(2022年末時点)。しかし、日本では含有量に関する規制もなく、食品パッケージの表示義務も定められていない。

 トランス脂肪酸が含まれる食品の代表格であるパンでは、製パン市場シェアの9割を占める大手3社(山崎製パン、フジパン、敷島製パン)がホームページ上で各商品のトランス脂肪酸を含めた成分表を公表しているものの、商品のパッケージには記載がなく、店頭で確認することは難しい。

 そこで、週刊ポストは、本誌は大手3社のパンについて、トランス脂肪酸の含有量を「1包装当たり」に換算し、16位までの計119商品をランキングにした。さらに、トラン脂肪酸の表示問題について、メーカーと業界団体に見解を聞いた。【全3回の第2回。第1回から読む

表記が統一されていない理由

 1包装当たりでトランス脂肪酸が最も多く含まれていたのは、山崎製パンの「シュガーロール5個入」(1.5グラム)。

 山崎製パンのホームページでは1個当たり0.3グラムと表記されているが、一方で3位の「デニッシュブレッドマイルド6枚入」は1包装当たり0.7グラムと表記されており、統一されていない。その理由について、山崎製パンはこう回答した。

「基本的には『1個当たり』の数値を記載しています。『1包装当たり』は『デニッシュブレッドマイルド6枚入』(註・3位)と『塩バターフランスパン7枚入』(註・ランク外)の2品で、いずれもスライスしたものを包装していますが、製品の形状から1枚あたりの大きさに差があるため、1包装全体の数値を記載しています」(広報・IR室)

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