米国シアトル発の人気コーヒーチェーン店「スターバックス コーヒー ジャパン」(以下、スタバ)。1996年8月に日本上陸し、今年で28年になる。今や全国に約2000店舗を構え、コーヒーチェーンとして店舗数ナンバーワンの勢力を誇るが、そこで長時間、勉強や仕事をする人たちに対して、「イキっているだけ」「家か図書館でやれ」など、SNS上には批判的な声を目にする機会も少なくない。そこで今回、実際にスタバで勉強・仕事をする人たちに、「なぜスタバで作業をするのか」について聞いてみた。
「単純に仕事ができる環境が整っている」
IT企業勤務の40代女性・Aさんは、「そもそもスタバは、一人で作業できる場所、ということを全面に打ち出していた印象」とその歴史を振り返る。
「そもそもスタバは電源席の用意や無料Wi-Fiを備えていたことが売りのひとつですよね。今では日本のコーヒーチェーン店でも電源やWi-Fiは当たり前になりましたが、昔は“電源席なんかつくったら長居されて回転率が悪くなって売上が下がる”という考え方が根強く、スタバのサービスは斬新に受け止められたと記憶しています。
つまり、パソコンで仕事がしやすい環境をつくってくれたのがスタバ。イキってるも何も、単純に環境が整っているから、仕事をする人が集まったのでは」
仕事でスタバをよく利用するAさんだが、「特にスタバにこだわっているわけではない」とも話す。
「自宅近所の駅ビル、勤務先近辺など、行く先々にスタバがあるだけなんですよね。コメダは身近にないので行く機会はありませんが、ドトールもベローチェも、タリーズもあれば普通に行きます。いまや、どこのカフェも電源やWi-Fi環境は整っていますから。つまり、絶対にスタバじゃなきゃいけないというわけではありません。立地がいいというだけです」(Aさん)